2026年9月1日、日本の厚生労働省は新たな監督方針を正式に施行した。それは、「36協定の特別条項 」を締結している企業に対し、一律に45時間以内に残業を収めるよう求めていた常態的な行政指導を事実上放棄するものだ。
経済の低迷、物価の高騰、少子高齢化、そして労働者階級の生活水準が普遍的に低下している現在の日本において、厚生労働省による労働規制の緩和は、表面上は単なる「行政執行手続きの微修正」に過ぎないように見えるだろう。
しかし現実には、底辺で働く労働者に対して直接的かつ深刻な悪影響をもたらすものだ。
かつて労働基準監督署(労基署)は、45時間を警戒線として扱い、習慣的に企業へ「指導票」を交付していた。
企業はたとえ特別条項を締結していたとしても、日常の巡回指導で頻繁に超過していれば行政警告を受けるリスクがあった。
資本家は労基署の審査を恐れ、表向きは多少なりとも自制するか、勤怠記録の改ざんに多大な労力を費やさざるを得なかったのである。
労働省によると、約半数の企業が36協定を締結している。そのうち約70%の企業が、休日労働を含めて月100時間未満の残業を許容する特別条項を付加している。
これは、全日本の約35%(3分の1超)の企業が正式に「特別条項」を届け出て運用していることを意味している!
日本全国の数千万人に及ぶ雇用労働者に対応させると、影響を受ける対象は直接的に2000万人から2500万人にも上ることになる。
9月1日の指導方針施行以降、残業時間が45時間を超える企業に対する指導票の交付件数は、今後間違いなく大幅に減少することが推測されるだろう。
労働者が特定の月にのみ直面していた60〜80時間という高強度の残業や、さらに劣悪な状況が、今後は多くの業界において毎月の日常へと徐々に変貌していくだろう。
近年の日本政府が労働階級を搾取する歴史
実のところ、政府が労働者を搾取・抑圧するのはこれが初めてではない。
1990〜2000年代の派遣労働の合法化(終身雇用の剥奪と「非正規」陣営の創出)、2000年代から現在に至る「名ばかり管理職」の黙認(残業代の合法的な剥奪)、2018年の「働き方改革」(過労死ラインの合法化)、そして今回の労基署に対する指導方針の改定に至るまで、絶え間なく続いてきた。
これらのいわゆる「改革」がもたらした結果こそ、今の私たちの職場における、常に経営者や上司の顔色をうかがい、あらゆるハラスメントに耐えなければならない現実を作り出している。
経営者や上司を怒らせることを恐れるのは、職を失うか、嫌がらせによって精神疾患を患う可能性があるからである。
8時間外の労働によって得られるはずの残業代は奪われ、過労死すら今や誰もが日常茶飯事と受け止めるようになってしまっている。
日本の高齢者も生活の圧力ゆえに就労を余儀なくされ、その人数は増加の一途をたどっている。
機械的な単純労働の繰り返しの中で労働者は精神疾患を患い、自殺者数は増加しているのだ。
これらの状況はどれも、労働者階級の置かれた状況がますます悪化の一途をたどっていることを物語っている!
なぜ日本政府は残業規制の変更を承認したのか
政府は本当に「公正な裁判官」のような役割を果たしているのだろうか?上述の事実から見ても、断じてそうではない!
労働階級に対する政府の態度と、資本家に対する態度を見比べてみよう。
労働者が賃上げを求め、物価高騰に対抗しようとすると、政府は「市場原理を尊重すべきであり、企業に強制することはできない」と言い放つだろう。
しかし、資本家(商工会議所、経団連)が「45時間の巡回指導が企業の生産性を落としている」と愚痴をこぼすと、自民党と内閣はわずか数ヶ月で巡回指導の撤回を「成長戦略」に盛り込み、厚生労働省は9月1日に即座にそれに従った。
現実において、官僚政府と資本家の癒着はこれだけにとどまってはいない!
政治家は政治献金と票を必要としており、その資金はいったいどこから出ているのだろうか?
大企業や経済団体が、実質的に経済の命脈と言論機関を握っているのである。
利益の面において、政府と資本家ははるか昔から固く結びついている。
したがって、政府が資本家を保護するための法律を制定することは何ら不思議ではない。
政府とは、資本家階級という大株主が共同で設立した「執行委員会」に過ぎないのだから。
逆に労働者階級に対しては一切容赦などない。労働者がデモやストライキを行おうものなら、あらゆる手で妨害し、時には労働者に対して容赦なく暴力を振るうことさえ厭わないだろう。
一方で資本家に対しては、「法律の公正さ」を維持しているように見せかけるため、表面上は鉄面皮を装いつつも、実際には法律上で絶えず 「言葉の言い換え」を行い、資本家を黙認し続けこの搾取の秩序を維持しているのである。
健康管理か、それともさらなる過労死か
では、私たちの「公正な」お上による「お恵み」、すなわち言わゆる「健康措置の厳格な審査」の実態を見てみよう。指針の第三条にこの内容が記載されている。
第三条の第一項では、従業員に残業をさせる場合であっても安全を配慮する義務があるとしている。これは間違いなく、政府が従業員の安全配慮という権利をさらに企業側の手に委ねたということだ。
自らは警告の超えてはいけない一線を撤回し、企業が思いのままに行動するのを放任しているのである。
第三条の第二項は、政府の立場を最も露骨に表している項目だ。
政府は残業と過労死との相関関係をすでに知っていながら、それに合法と判を押したのである!
そして健康審査の執行実態といえば、監察官が企業側の『36協定指針』第8条における健康措置のチェック項目を確認するだけに過ぎない。(例:「医師による面談記録」の有無、「勤務間インターバル制度の台帳」の有無など)
経営者側が社会保険労務士が作成した面談シートを提示し、チェックさえ入っていれば、行政法理上は直ちに適合とみなされ通過してしまうのである!
私たちは、資本家と労働者の利益が絶対的に相反するものであることを認識しなければならない!
資本家たちが自らの利益を損なうような行動を自発的にとることなどあり得ないのである。
彼らは労働時間を延長し、労働条件を悪化させて労働者を抑圧することによってのみ、より多くの利益を搾取することができる。
それこそが、資本家が政府を使い今まさに実行していることなのである!
労働者はどのように自らの権利を要求すべきか
政府と資本家が結託し、労働者階級への抑圧をいっそ強めているこの状況に直面し、我々はどう対処するべきなのだろうか?
労働者の権利とは、労働者が共に闘い、勝ち取ってきたものなのである。
我々がこのすべてを無視し傍観するならば、資本家は我々への抑圧をさらに強めるだろう。諸外国の労働者たちの現状を見よ。
一人の声は微小だが、集団の声となれば資本家にとって危機となりえる。労働者階級は結集しなければならない!
我々は労働者階級に本来属するべき権利を取り戻さなければならない:
過労死まで働かせる社会を否定せよ!スライド制労働時間制を実施せよ——総労働時間を均等に配分し、減給なしで労働時間を短縮せよ!
物価高騰に対抗せよ!スライド制賃金表を実施せよ——賃金を物価に連動させて自動的に引き上げよ!
免責台帳を破棄せよ!労働者委員会を確立し、労働者自らが労働時間と安全の監督権を掌握せよ!
しかし、我々はどのような方法で闘いを進めるべきなのだろうか?労働者階級は労働組合に依拠すべきなのだろうか?私たちの回答は、労働組合指導者たちの嘘を信じてはならない、というものだ!
なぜ労働者の賃金と労働条件が悪化し続ける局面に直面しながら、労働組合は闘争を展開しないのだろうか?
それは、労働組合の指導者たちがすでに階級協調路線を受け入れているからである。
日本の連合(日本労働組合総連合会)は近年、自民党政権の現職首相や政府閣僚をメーデーの式典に相次いで招き、資本家や政権との『官民挙げての協調』を演出しているという事実は、労働組合の指導者たちがもはや労働者階級の味方ではなく、体制維持の補翼者に成り下がっていることを明確に証明している。
マルクスが言ったように、組織されていない労働者階級は単なる搾取のための原料に過ぎない。
それゆえ労働者階級は、これらの腐敗した官僚を一掃し、階級全体を団結させ、訪れつつある闘いのために奮闘できる新たなる労働者を代表する闘士を選出しなければならないのである!
我々、革命的共産主義インターナショナル日本支部はこの中でどのような役割を果たすのだろうか?
我々の目的は、資本主義的搾取に対抗するための最も革命的な闘争方法を支持し提唱することを目的とし、革命的政党の建設を積極的に進めていくことである。
資本主義が終末に差し掛かっている今、革命的共産主義インターナショナルは世界各地で社会主義革命のために闘う革命的マルクス主義団体を組織するために活動している!
我々の思想に興味を持ち、労働者のために共に闘争する意欲のある者は、是非「お問い合わせ」フォームにご記入いただくか、 revolutionarycommunists.jp@gmail.com までメールにて連絡をお願いしたい。