戦争の最初の犠牲者は真実である。これはロシアのウクライナにおける軍事介入にも言えることだろう。全てのマルクス主義者はこの戦争に溢れる虚言とプロパガンダを突き破り、その背後にある真実を突き止めないといけない。この戦争の原因、そして各陣営の正当化の裏にある利害関係を分析し、何よりも国際労働者階級の視点からこの戦争を見ないといけない。
我々はロシアのウクライナ軍事介入に反対する、しかしそれは後述する我々独自の理由からである。決して虚言をばら撒くメディアが言う出まかせと同義ではない。言うまでもなく、我々の第一の責務は米国と西側帝国主義が発するおぞましい嘘偽善を暴くことにある。
彼らがロシアのウクライナ侵攻を批判する時、最初に挙げるのがロシアがウクライナの「国家主権」を侵害し、「国際法」に違反している言明だ。
これらの声明は虚言に満ちている。米帝国主義及び欧州の走狗こそが、「国家主権」と「国際法」を犯し血塗られた歴史を作ってきた張本人である。
今日まで、彼らこそ帝国主義を露わに主権国家への侵略や猛爆撃をイラクに、ベトナムの地で民間人を虐殺し、チリではファシストの軍事クーデターを組織し、更には政敵は躊躇うことなく暗殺してきた(アジェンデ、ルムンバ)。もし誰かに平和や民主主義、人道的価値の美徳について説教する資格があるのだとすれば、彼が最もそれに相応しくない国々だろう。
ウクライナの主権についての議論をするなら、2014年のユーロマイダン運動の勝利から米国の影響力が拡大を続けている事実を無視する事はできない。全ての重要な経済的・政治的権力は腐敗したオリガルヒの手に落ちた。この政府は米帝国主義の傀儡に過ぎず、最早ウクライナは米国の盤面上のコマでしか無かった。
ウクライナの経済政策を決定するのはIMF(国際通貨基金)であり、米国大使館が政府形成において一番重要な役割を担っている。事実、現在行われている戦争は大きくみれば米露の戦争である。米露がウクライナで戦争を行っているのだ。
NATOの侵略
ソ連崩壊後、ロシアは国際舞台で著しく弱体化した。あらゆる正反対の約束にもかかわらず、米帝国主義はこの事実を利用し、東進を推進してNATOをロシア国境まで拡大した。
この状況下で米帝国主義は全能感を抱き、ワシントンの権力者たちは「新世界秩序」を宣言した。米帝国主義は旧ソ連の影響圏であったユーゴスラビアやイラクに介入した。ロシアはNATOによるセルビアへの戦争という屈辱を強いられた。その後も、親欧米政権を樹立するための「色の革命」が絶え間なく起こり、東欧への軍隊展開やロシア国境付近での軍事演習、その他無数の挑発行為が続いた。
しかし、何事にも限界はある。プーチンが代表するロシア支配階級が「もう十分だ」と宣言する時が来た。その時は2008年、NATO加盟を計画していたグルジアでの戦争によって訪れた。

米帝国主義がイラクで泥沼化していた状況を利用し、ロシアはジョージアに対し短期間で鋭い戦争を仕掛けた。NATOによって訓練・装備されていたジョージア軍を壊滅させた後、ジョージアから分離したアブハジア共和国と南オセチア共和国に支援拠点を確保すると撤退した。
ウクライナにおけるユーロマイダンによるヤヌコビッチ政権の転覆は、米国とNATOの利益がさらに前進したことを示した——今回はロシアの歴史的境界地帯においてである。これは度を越した挑発であり、これに対しロシアは2014年にクリミアの併合を実行した。クリミアは主にロシア語話者が居住し、ロシア海軍の黒海艦隊がセヴァストポリに拠点を置く地域である。ロシアはまた、ドンバス地方のロシア語話者とキエフの右翼民族主義政権との内戦において、反政府勢力への軍事支援も行った。西側は抗議し制裁を発動したが、ロシアに深刻な影響はなかった。
2015年、米国がシリアに地上軍を投入する意思がないことが明らかになると、ロシアはアサド政権側で介入し内戦の行方を決定づけた。シリアはロシアにとって地中海唯一の海軍基地を擁する重要な拠点である。この結果は、米国にとって戦略的に重要な地域における深刻な後退となった。(2025年以前)
今、プーチンはロシアの力を再確認する新たな機会を嗅ぎ取った。米国はアフガニスタンで屈辱的な敗北を喫したばかりであった。ロシアは2020年にアゼルバイジャン・アルメニア戦争の和平を仲介し、2020年から2021年にかけてベラルーシでルカシェンコを支援するために介入し、そして2022年初頭にカザフスタンに軍事介入をした。
ゼレンスキー政権による挑発行為の激化が致命的な役割を果たした。2014年のヤヌコビッチ政権転覆後、ウクライナ政府はNATOとEU加盟問題を推進してきた。これは2020年に憲法に明記された。コメディアン出身の大統領ゼレンスキーは2019年、政治の浄化、オリガルヒ対策、そしてロシアとの和平を実現する「外部者」としての立場を強みに当選した。
しかし極右勢力からの圧力とワシントンの煽りを受け、彼は正反対の政策を追求した。
NATO加盟問題が再び議題の最優先事項に掲げられ、強引に推進された。ロシアがこれを脅威と見るのは当然である。そうではない、ロシアと国境を接する他の国々は既にNATO加盟国だと反論する者もいるだろう。しかしそれは全く的を外している。現在の状況はまさに、数十年にわたる西側帝国主義によるロシア包囲網の構築の結果であり、ロシアが反撃に出ているのだ。
弁証法的に、量的変化が質的変化へと転化した。物理学の用語を用いれば、敵対行為の勃発が明白に議題となる臨界点に達していたのである。
しかし戦争においても常に選択肢は存在する。プーチンが侵攻というリスクとコストを伴う大掛かりな手段を取らずに目的を達成できたなら、当然その道を選んだだろう。当初はその可能性が確かに存在し、我々にも最も確率の高い仮説と思われた。
米国が一定の譲歩を行う用意があることを示す兆候もあった。当然のことだろう。結局のところ、バイデン大統領はウクライナのNATO加盟問題は当分の間議題から外れると公言していたのだ。しかし結局、事態は異なる方向へ進んだ。
プーチンは軍事行動の脅威(実行は否定しつつ)を用いて、米帝国主義を交渉のテーブルにつかせようとしていた。彼の要求は明確だった:ウクライナのNATO加盟拒否、NATOの東方拡大の停止、そして欧州における安全保障の保証。
これらの要求はロシア資本主義の利益に完全に合致しており、したがってワシントンの利益とは正反対のものだった。したがって米帝国主義はロシアの要求に一歩も譲るつもりはなかった。しかしウクライナ防衛のために地上軍を投入する覚悟もなかった。軍事行動を伴わない制裁の脅しは、当然ながらプーチンを抑止する効果はなかった。
事態は独自の展開を見せた。プーチンが予想した譲歩を得られなかった時、彼には行動する以外に選択肢がなくなった。駆け引きの時間は終わったのだ。
米帝国主義が頑なに譲歩を拒んだ理由は何か?脅威に屈したと見られるわけにはいかなかった。それは世界規模で米帝国主義の権威をさらに損なうことになっただろう。しかしプーチンの立場からも同じことが言えた。
西側がロシアの要求を一切考慮しないという頑なな拒否は、彼を脅威を実行に移すか、あるいは後退するかの立場に追い込んだ。それがその後の事態の展開を決定づけた。
チェスを打つ者のように、プーチンはすでに西側帝国主義がウクライナに直接軍隊を介入させる意思がないことを見込み、制裁の代償もすでに織り込んでいた。ウクライナ国境にすでに集結した19万という圧倒的な兵力を背景に、彼の次の動きはあらかじめ決まっていたのである。
いかなる侵略戦争にも何らかの正当化が必要だ。ロシア国内世論向けにプーチンは、ウクライナ軍によるドネツク砲撃を「ジェノサイド」と表現して口実とした。これは誇張ではあるが、帝国主義者たちがそうしてきたように軽々しく退けるべきではない。
ウクライナ軍によるドンバス地域のロシア語話者への残虐な弾圧は疑いようのない事実だ。過去8年間で、この紛争により約1万4千人が死亡し、その大半はドネツク地域の民間人である。砲撃の80%はウクライナ軍によるものと推定されている。
プーチンはドネツク人民共和国を承認し、その決定を裏付けるために軍隊を派遣することで挑戦状を叩きつけた。これがウクライナへの軍事攻撃開始の合図となった。
プーチンの行動の背景にある理由とは?
この一連の行動において、ウラジーミル・プーチンは当然ながら自らの利益を追求している。経済危機、労働者・年金・民主的権利への攻撃などにより近年失った人気を、ナショナリズムの熱狂を煽ることで回復しようとしているのだ。
この手法は2014年のクリミア併合で成功しており、彼は同じ手口を繰り返せると考えている。
彼は西側に立ち向かい、どこにいようともロシア人を守る強者として見せたいのだ。ドンバス地域のロシア系住民の守護者を装っている。これは虚偽である。プーチンはドンバス住民の苦境など意に介していない。
彼はウクライナでの目的達成のため、ドネツク・ルガンスク両人民共和国を単なる小銭として利用した。これがミンスク合意の真の意味だった。
実のところ、彼は帝国の偉大さへの幻想を抱いているのだ。自らを一種の皇帝と見なし、1917年以前のロシア帝国とその反動的な大ロシア主義の路線を継承している。そのような人物がウクライナで進歩的な役割を果たせるという考えは全くの戯言である。
ロシア帝国主義
ロシアは帝国主義に支配された弱小国ではない。むしろその逆だ。ロシアは地域大国であり、その政策は帝国主義としか言いようがない。ロシアがウクライナで戦争を続ける真の理由は、影響圏の確保とロシア資本の国家安全保障上の利益の追求にある。
絶望的な形式主義者は、ロシアがレーニンの著名な著作『帝国主義、資本主義の最高段階』で示された特徴をすべて備えていないと反論するかもしれない。そうかもしれないが、それはロシアが帝国主義ではないことを全く意味しない。その反論への答えは、レーニンの同じ著作に見出せる。

レーニンはロシアを「経済的に最も後進的な国であり、現代の資本主義的帝国主義が、いわば前資本主義的関係の特に密な網に絡め取られている」と描写する。しかし同時に、彼は帝政ロシアを五つの主要帝国主義国家の一つに数えている。これは帝政ロシアが経済的に後進的で、一コペイカたりとも資本を輸出したことがなかったという事実にもかかわらずである。
今日のロシアは、1917年以前の後進的で未発達な国とはもはや同じではない。今や資本の高度な集中が進み、銀行部門(それ自体が高度に中央集権化されている)が経済において重要な役割を果たす、発展した工業国である。
ガスや石油がロシア経済で重要な役割を果たしているという事実によっても、この状況は変わらない。さらに、これらの資源は外国の多国籍企業の支配下にあるのではなく、ロシアのオリガルヒ(寡頭支配者)の手に握られている。ロシアの外交政策は、そのエネルギー輸出(特に欧州向け)の市場を確保し、それを供給する手段を確保する必要性によって大きく左右されている。
確かに、ロシアを米国と同列に置くことはできない。米国は依然として桁違いに世界最大の帝国主義大国である。それに比べ、ロシアは中小規模の帝国主義勢力に過ぎない。その経済規模は米国はおろか、欧州の帝国主義諸国にも及ばない。
しかし、ロシアが中央アジア、コーカサス、中東、東欧、バルカン半島に野心を抱く地域帝国主義勢力であることは、常識ある者なら誰も否定できない。
ロシアはソ連から核兵器を継承し、近年では軍隊の近代化に巨額を投じてきた。軍事費支出額で世界5位以内に入り、近年では軍事費が30%増加し、GDPに占める軍事費比率(4.3%)では世界第3位である。
ロシアのウクライナ侵攻は、我々が支持できない反動的な帝国主義戦争である。この戦争はウクライナ、ロシア、そして国際社会に最も深刻な悪影響を及ぼす。こうした理由から我々はロシアのウクライナ侵攻に反対する。
この戦争は、長きにわたり兄弟のような緊密な絆で結ばれてきた民族間に国家間の憎悪を生み出し、一方では反動的なウクライナ民族主義の気運を、他方では反動的な大ロシア主義の気運をさらに煽り、労働者階級に民族・民族・言語に基づく恐るべき分裂を撒き散らしている。
この民族主義的毒に対する主な防壁は、ロシアの労働者がプロレタリア国際主義の断固たる姿勢を堅持し、国内外におけるショービニズム(過激な反理性的民族主義)の毒に断固として立ち向かい、プーチンの反動的政策に反対することである。ロシアのマルクス主義者たちが採った立場は、その点で模範的である。
一方、ウクライナの労働者たちはロシアの侵略に抵抗しつつ、自国が友人や同盟国を名乗る者たちによって恥ずべき裏切りを受けたことを理解しなければならない。西側帝国主義のハゲタカどもは意図的に彼らを戦争に追い込み、ウクライナが血塗られた泥沼に沈むのを腕を組んで傍観した。その後、限定的な武器供給を約束した(もちろん兵士は派遣せず)のは、紛争を継続させてロシア軍を足止めし、双方に最大限の犠牲を出させ、ロシアに対する安っぽいプロパガンダ的優位を築こうとする冷笑的な試みに他ならない。
制裁の話、「最後まで戦う」という好戦的なレトリック、自国兵士を一人もウクライナに派遣しないこと、貧しいウクライナ人の苦しみに対する偽りの涙など――これらすべては、ウクライナが冷酷な権力政治の駒として扱われてきたという明白な事実を一瞬たりとも隠せない。
ウクライナの人々よ!目を覚ませ。自国が帝国主義の血塗られた祭壇に捧げられた犠牲であることを理解せよ!そして、真の友は世界の労働者階級のみであることを悟れ!
国際情勢への影響
ウクライナ戦争は世界規模で深刻な波及効果をもたらす。米国は世界を支配する帝国主義大国であり、地球上で最も反革命的な勢力である。しかし今回の危機は米帝国主義の根本的弱点を露呈した。
その力は、世界資本主義の全般的な危機によって徐々に蝕まれてきた。この危機は、巨大な不安定性、戦争、動乱という形で現れ、地球上で最も豊かな国家でさえ維持不可能なほどの膨大な血と金を吸い取っている。
イラクとアフガニスタンにおける軍事占領の悲惨な結果は、この弱点を誰の目にも明らかにした。これがプーチンにウクライナ侵攻を決断させた要因の一つだ。彼はアメリカが軍事介入しないと計算し、その見込みは外れなかった。
一連の海外軍事介入で敗北を重ね、莫大な費用を費やしながら何の解決も得られなかった結果、米国の世論はもはや軍事的冒険を望んでいない。バイデンの手は事実上縛られていた。
この状況は、今や米帝国主義の強力なライバルとして台頭した中国によって確実に認識されるだろう。中国は世界の多くの地域で米国と対峙しており、ワシントンではロシアよりもはるかに大きな脅威と見なされている。
中国はもはや1949年当時の弱く経済的に遅れた支配下の国家ではない。強力な産業基盤を有し、今や手ごわい軍事大国となった。台湾に対する野心を隠さず、平和的交渉による中国との再統一を望んでいると表明しているが、それが不可能ならば軍事手段で実現する可能性もある。
ウクライナ情勢は、米国軍事力の限界を北京に示した有益な教訓となった。西側の貿易相手国を刺激するのを避け、国連安保理決議では棄権したものの、ロシアを公然と支持することはなかったが、中国はウクライナのNATO加盟を推進した米国を非難していることを明確にしている。
中国は制裁の影響を相殺するためロシアと明確に合意に達している(制裁が失敗するもう一つの理由だ)。ウクライナ問題は今後、ロシアと中国の帝国主義者たちの結束を確実に強めるだろう。ワシントンが聖水を恐れる悪魔のように恐れるべき展開である。
米帝国主義と欧州同盟国間の亀裂
ウクライナにおける米国とロシアの利害対立は、ワシントンと欧州同盟国、特にフランス・ドイツとの亀裂も表面化させた。伝統的にフランスブルジョアジーは一定の独立性を装い、独自の核兵器開発を進め、アフリカなどで帝国主義的影響圏を築こうとしてきた。今回の紛争でマクロンは独立した役割を演じようとした。一部には大統領選挙を控えた思惑もあった。しかしパリとベルリンの立場は経済的利益にも基づいている。

欧州はロシア産ガスの輸入に大きく依存している(40%)。特にドイツは天然ガスの60%をロシアから輸入しており、同国への重要な投資も抱えている。これがドイツが紛争を悪化させる措置を躊躇し、ロシア制裁の実施に消極的な真の理由である。(ノルドストリーム爆破以前)
現在の紛争が終結する瞬間(いずれにせよ終結せざるを得ない)、これらの制裁措置やその他多くの制裁は静かに解除されるだろう。欧州経済、とりわけドイツ経済への悪影響が耐え難いほど深刻になるからだ。反対の主張があれど、ドイツは持続可能な価格で石油・ガスの適切な代替供給源を見出せない。
ドイツはそれ自体が帝国主義大国であり、その外交政策はドイツ資本の利益によって決定される。この利益は必ずしも米国資本の利益と一致しない。ドイツ資本はEUの機構を通じて欧州を支配している。30年にわたり、東欧とバルカン半島への影響力拡大政策(ユーゴスラビアの反動的な解体において決定的な役割を果たした)を推進し、その対外貿易は中国と密接に結びついている。
第二次世界大戦で敗北したドイツには、軍事再建に制限が課されていた。ドイツ支配階級は、NATOの一員でありながらも、外国の帝国主義的軍事冒険に直接関与していると見られることを常に警戒してきた。しかしその躊躇はすでに破られている。1990年代、緑の党出身の外交大臣の下でドイツはユーゴスラビアに軍隊を派遣した。2003年のイラク侵攻には反対したが、アフガニスタンには軍隊を派遣した。
現在、ドイツ資本はウクライナ戦争を口実に、大規模な軍事支出計画に乗り出している。いかなる帝国主義大国も、その経済力に見合った軍事力を備える必要があるのは必然である。
もちろん、米帝国主義の主たる敵はロシアではなく中国であり、ワシントン側には明確なアジア重視政策が存在する。この紛争において中国はロシア側に付いた。同時に中国の利益はロシアのそれと完全に一致するわけではない。中国帝国主義は中国資本家の利益、すなわち西側における輸出市場の保護を含む利益を守る。このため中国は、ロシアの行動を支持しているとはいえ、公にはその責任を負う立場には立ちたくない。
米国とロシアの間、あるいは米国と中国の間で新たな世界大戦が起こる可能性は全くない。その理由の一端は核戦争の脅威にあるが、大衆がそのような戦争に断固として反対していることも大きい。資本家たちは愛国心や民主主義、その他の高尚な理念のために戦争を仕掛けるのではない。彼らは利益のために、外国市場や原材料(石油)の供給源を掌握し、影響圏を拡大するために戦争を仕掛けるのだ。
しかし核戦争は双方の相互破壊を意味する。彼らはこれを表す言葉さえ造語した:MAD(相互確証破壊)。このような戦争が銀行家や資本家の利益にならないことは自明である。
経済的影響
この問題のもう一つの重要な側面は、ウクライナ戦争とロシアに対する西側諸国の制裁が世界経済に与える影響である。
すでに2019年末時点で、世界経済は新たな不況へ向かっていた。パンデミックの衝撃からある種の正常性を取り戻しつつある現在、状況は極めて脆弱である。すべての国がパンデミック前の生産水準を回復したわけではない。世界経済は多くの矛盾に満ちており、いかなる衝撃も景気後退へと転落させる可能性がある。
ウクライナ危機は既にエネルギー価格の急騰を招いており、さらに悪化する可能性がある。これは世界経済へのインフレ圧力に加え、既に進行中のスタグフレーション(経済停滞と高物価の同時進行)の要因となる。一部のブルジョア経済学者は、この紛争が2023年と2024年にユーロ圏と英国のGDP成長率を0.5%押し下げる可能性があると試算している。これは成長予測が既に低調な時期に起こっている。
状況は急速に悪化する可能性がある。制裁は既にロシア経済を直撃している。最新報告によればルーブル価値が急落し、中央銀行は利上げを余儀なくされた。インフレが急上昇し、不安に駆られた人々が銀行から預金を引き出している。モスクワ証券取引所も閉鎖された。
こうした結果に西側評論家は歓喜したが、自国の株式市場も大幅な損失を計上し、物価が急騰している事実は無視した。しかしロシアへの即時的な影響は間もなく収束し、均衡に近い状態が回復するだろう。世界経済については同じことは言えない。
しかし制裁は両刃の剣だ。ロシアが制裁への報復措置を取ることは確実である。欧州へのガス供給停止をちらつかせるだろう。メドベージェフは既に、ロシア国内の西側資本の接収をほのめかしている。
労働運動の立場
戦争は労働運動のあらゆる傾向を試練に晒す。予想通り、改革派と社会民主主義者たちは自らの支配階級に加わるべく急ぎ、ロシアに対する制裁の最も熱心な擁護者となった。西側の左派改革主義者は様々な陣営に分裂している。一部は「ウクライナに手を出すな」というスローガンの下で支配階級に公然と加担し、他の一部は無力な平和主義に陥り、神話的な「国際法」の支配への回帰を求め、「外交」が戦争を防げると期待している。
ロシアでは、共産党指導部が予想通り自国の支配階級に屈服し、プーチンの帝国主義的介入を全面支持した。左派の他の勢力は支配階級の別部門を代表するリベラル派に追随している。
革命的マルクス主義者の立場は明確であるべきだ。「労働者階級の主なる敵は国内にある」という原則的な階級的立場である。NATOや西側帝国主義のギャングどもには一切の信頼を置くべきではない。これは特に西側の労働者や社会主義者にとって真実である。
クレムリンの反動的集団と戦う任務は、ロシア労働者だけの任務だ。西側の革命家の任務は、自国のブルジョアジー、NATO、そして地球上で最も反革命的な勢力であるアメリカ帝国主義と戦うことである。
この戦争において我々はどちらの側も支持できない。なぜなら双方とも反動的な戦争だからだ。究極的には、二つの帝国主義者集団間の衝突である。我々はどちらの側も支持しない。貧しく血を流すウクライナの人々は、自ら生み出したわけでも望んだわけでもないこの紛争の犠牲者である。
ウクライナの労働者や若者にとって、反動の狂騒と戦争の苦しみへの唯一の代替案は、ウクライナの寡頭支配層、そして米国とロシアの帝国主義に対する階級的団結の政策である。ウクライナの民族問題は極めて複雑であり、ナショナリズム(ウクライナ系であれ親ロシア系であれ)に基づいて国を統治しようとするいかなる試みも、すでに目撃したように、国の分裂、民族浄化、内戦を必然的に招くだろう。
結局のところ、老衰期にある資本主義は戦争と経済危機を意味する。その恐怖に終止符を打つ唯一の道は、労働者階級が国ごとに権力を掌握し、この腐敗したシステムを一掃することである。そのためには、社会主義的国際主義の原則に堅固に立脚した革命的指導部が必要だ。したがって、今日の最も緊急の課題は、マルクス主義の勢力を築き、革命的共産主義インターナショナルを建設するという忍耐強い活動である。
ロンドン、2022年2月28日
